春馬さんが子供の頃から俳優として生きた、映画やドラマの世界は、制作者の意図に従って作られた虚構の世界です。そのため、役名、衣装、小道具、台詞、すべてに制作者の意図が込められています。
芸術や文学などの創作活動では、尊敬する作家や作品に影響を受け、敬意を込めてそれらに似た作品を創作することがあり、「敬意」を意味するオマージュ(homage)と呼ばれます。
映画やドラマの場合、オマージュとして、好きな監督や作品などへの敬意や愛情を示すために、その作品をイメージさせる映像や演出が差し挟まれます。
映画でのオマージュの例として、有名なのは映画『戦艦ポチョムキン』(1925)のオデッサの階段の場面に対する、映画『アンタッチャブル』(1987)の乳母車が落ちる階段での銃撃戦です。
春馬さんの出演作が、どんな作品へのオマージュを示しているかは、春馬さんが演劇界でどんな位置づけの俳優だったかを知る手がかりです。
一方、似た場面や役名があっても、先人の作品や主張に対する敬意がなければ、それはオマージュではありません。もし「尊敬」ではなく「軽蔑」などの「悪意」が込められていたら、それは「悪意」を意味するマリス(malice)と呼ぶべきものでしょう。
春馬さん急逝後に放送された『お金の切れ目が恋の始まり』(『カネ恋』)や『カネ恋』に演出参加した木村ひさしの、春馬さん急逝前後のインスタには、春馬さんの出演作への悪意のこもった、マリスと呼ぶべき表現が多数認められます。
見るととても嫌な気分になりますが、誰かが、それらの作品に劣等感を持っている事がわかります。
そして、春馬さん出演作のオマージュと、『カネ恋』や木村インスタのマリスが交差する暗闇に、春馬さん達への嫌がらせの首謀者が潜んでいるはずです。
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